奈良の桜は吉野だけではありません。古代ロマンの村、明日香村よりもさらに三重県の方に行くと奈良県宇陀市という地域にたどり着きます。この宇陀市の中でも大宇陀という地区には知る人ぞ知る又兵衛桜という桜があります。今回はそんな又兵衛桜の2016年の開花を予想していきたいと思います。
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又兵衛桜の由来
又兵衛桜は今から400年ほど前の江戸時代、徳川家康が大阪の豊臣秀頼を倒そうとした戦いがありました。
その際豊臣方に着いた戦国武将、後藤又兵衛は徳川軍の猛攻に合い、戦場を離脱。今の奈良県宇陀郡(うだぐん)で落ちのび、その後僧侶となってこの地で一生を終えました。
このような伝説と共に後藤家の屋敷が残っていたことからこの桜を地元人々は、又兵衛桜というようになりました。
実際には特別な桜ではなく樹齢300年高さ13メートル、幹の太さが3メートルほどあるシダレザクラのことです。しかし、後ろに広がる桃の木畑とのコントラストが大変美しいことから大河ドラマ『葵 徳川三代』の映像にも使われました。
シダレザクラの枝がまるで滝の流れのようであるため瀧桜(たきざくら)とも呼ばれているそうです。
又兵衛桜の開花予想&見ごろ
前でもお話ししたように又兵衛桜はシダレザクラですので、例年の開花傾向は4月上旬であると言われています。
2016年も異常気象とはいえ同じぐらいあるいは1週間早まるくらいでそこまでの変化はないかと思います。
でももし、桃とのコントラストを見たい方は3月下旬ぐらいを狙っていくと緑の山々に映えるピンクのコントラストを見ることができるかもしれません。
見ごろは開花から5日から1週間ほどですのですので4月の1週目から2週目後半を目指していくと良いでしょう。
又兵衛桜 Nara Cherry tree by EOS 5D Mark II(1分26秒)
※5.6本見た中では、閲覧回数にかかわらず、これが一番よく撮れてました。
又兵衛桜を見るときは
又兵衛桜のある所は田んぼのど真ん中です。
駐車場は周囲に500台ほど停められるところがあるようですが、ごみを捨てる所やお手洗いは宿泊施設にしかありません。
食事のできそうなところはカフェが1つと宿泊施設が2軒ほどしかありませんし、夜のライトアップもありません。
ですので、又兵衛桜を見に来るときは車を降りる際にカメラ1つ持ってくれば十分素敵なお花見を楽しめます。
また例年、花見客は7万人から10万人ほどとけして混み合ってはいませんので、昼過ぎを目指してお花見しにきてもゆっくりお花見ができるでしょう。
その後、近くの日帰り入浴施設につかって行けばいい思い出にもなります。
又兵衛桜 アクセス
〒633-2156 奈良 県 宇陀 市 大宇陀 本郷477
又兵衛桜に集まる人々を微速度撮影(1分51秒)
※これは、主役が桜ではなく、人です。ちょっと面白いですよ~。
あとがき
主役が一人舞台で観客を集める。そんな方は、何もせず立っているだけでも、そうとう魅力的で、眩しいほどです。
そんな主役、いえ王様級のさくらさんですね。後の方の人をコマ送りした動画を見ると、余計そう思えてきます。
さくら名所を作ろうと計画されたわけでなく、ポツンと畑のどまん中、こんな桜も素朴で味わいがありますよね。おそらく、たくさんの桜を見るより、遥かにいつまでも想い出に残りそうです。
by emilie